こんにちはコウです。今回はETFについて解説します。
ETFとは
ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことです。“Exchange Traded Funds”の略で「上場投資信託」と呼ばれています。基本的に、日経平均株価やTOPIX、NYダウ、S&P500など特定の指数の動きに連動する運用成果を目指しています。ETFは株式のようにリアルタイムで取引ができ、幅広い銘柄に分散投資が可能です。
このように、ETFは株式と投資信託それぞれの特徴を併せ持った金融商品です。
投資信託とETFとの違い
ETFと投資信託の代表的な違いを下表にまとめました。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
上場の有無 | 上場 | 非上場 |
商品数 | 少ない | 多い |
価格が決まるタイミング | リアルタイム | 1日1回 |
手数料 | 比較的安い | 比較的高い |
購入できる機関 | 証券会社 | 証券会社 銀行 |
信用取引の可否 | できる | できない |
投資信託とETFの違いは、上場しているか・上場していないかの違いです。どちらも日経平均株価やTOPIXなどの指数をベンチマークしているため分散投資ができますが、一般的な投資信託は未上場で、ETFは上場しています。
また、投資信託は1日1回算出される基準価額での取引となりますが、ETFはリアルタイムに変動する市場価格で取引が可能です。
運用期間中はどちらも「信託報酬」という手数料が日々発生しますが、ETFのほうが比較的安くなっています。
投資信託とETFの共通点
投資信託とETFの共通点は、分散投資ができリスクを低減できることです。どちらもNYダウやS&P500など特定の指数の動きに連動する投資成果を目指しています。1銘柄ではなく、数十~数千銘柄に分散投資をすることが可能です。1企業の業績が与える影響は限定的なので、個別株に投資するよりもリスクを抑えられます。
ETFの種類と内容
ETFには、様々な種類があります。
種類 | 内容 |
---|---|
国内株式ETF | 日経平均やTOPIX(トピックス)などの国内指標に連動し、株式市場全体を対象としている。 |
国外株式ETF | 海外の株式指数との連動を目指している。 |
債権ETF | 通常の債券購入と異なり、債券ETFを購入すると複数社の債券に対して分散投資したことになる。 国内債券、外国債券、新興国債券といった種類がある。 |
REIT(リート)ETF | REITは一般的に「不動産投資信託」と呼ばれ、国内外の不動産投資信託や不動産株を対象としている。 |
商品ETF | コモディティとも呼ばれ、貴金属や農作物、石油などのエネルギーを対象としている。 |
ETFのメリット・デメリット
ETFのメリット・デメリットをまとめてみました。
ETFのメリット
- 手軽に分散投資ができる
- 取引をリアルタイムに行える
- 信託報酬を低く抑えられる
- 代表的な株価指数に連動し値動きを把握しやすい
詳しく見ていきましょう。
手軽に分散投資ができる
ETFのメリットの1つが、手軽に分散投資ができることです。たとえば、S&P500をベンチマークするETFは、S&P500を構成する多数の銘柄に投資を行い運用しています。ETFを購入することで数十~数千銘柄に投資ができ、リスクを分散できます。
取引をリアルタイムに行える
一般的な投資信託の場合は、1日1回算出される基準価額をもとに取引するためリアルタイムの取引はできません。しかし、東証一部などに上場するETFは、個別株同様リアルタイムに変動する価格で取引ができます。
信託報酬を低く抑えられる
信託報酬を低く抑えられるのもETFのメリットです。信託報酬とは、投資信託の運用・管理にかかる費用でファンドによって異なります。信託報酬が0.1%未満のETFも多く、一般的に投資信託より低い傾向にあります。ETFであれば運用コストを低く抑えることが可能です。
代表的な株価指数に連動し値動きを把握しやすい
ETFは、日経平均株価やTOPIX、NYダウ、S&P500、ナスダックなど代表的な株価指数に連動した投資成果を目指しています。株価指数に連動するため、値動きを把握しやすいのが特徴です。ETFの株価を見なくても日経平均やTOPIXなどの指数を見ることで、現在値を把握できます。
ETFのデメリット
- 自動積立投資できない場合がある
- 分配金が自動的に再投資されない
自動積立投資できない場合がある
証券会社によっては毎月自動的に一定額を購入する「自動積立投資」というサービスがあります。しかし、対応していない証券会社でETFに投資する場合は、自分で都度購入しなければなりません。
分配金が自動的に再投資されない
ETFの分配金は、一般的な投資信託と異なり、組み入れ銘柄の配当金や利息は運用経費を差し引いて、決算時にすべて分配します(為替差益や値上がり益は分配しません)。支払われた分配金は、自動で再投資する仕組みがないため、再投資する場合は手動で買い付けを行わなくてはなりません。
分配金を再投資すれば複利の効果を得ることができます。
まとめ
- 少額から投資したい人
- コストを抑えて運用したい人
- 自分の取引タイミングで取引したい人
- 自由度の高い売買を行いたい人
ETFは、1つに投資するだけで複数の企業へ分散投資するのと同様の投資が可能です。
そのため、少額で投資したいという人におすすめの投資商品です。
また、信託報酬については投資信託よりETFの方が安いので、なるべく安いコストで運用したいという人にもETFがおすすめです。
しかし、分配金が出たときに自動で再投資されません。
ETFについてなんとなく分かりましたでしょうか?
分配金を生活の足しにするならETF、将来に増やして受け取るなら投資信託という決め方もアリです。